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This Is Hell ~ DIMENSION ZERO [ ∟Melodic Death Metal]

先週からまたちょっと忙しくて、気分的には
「ディース・イーズ・ヘーーール」 てなもんです。

というわけで、 IN FLAMES「Come Clarity」の感動覚めやらず、といった状態で次にレビューすると言ったら、私の場合ですとイェスパー繋がりのデス、ということで、Dimension Zeroの2nd、「This Is Hell」を取り上げます。



ジャケからして怖いですが・・・ 音の方はもっと衝撃的です。

まずバンドの方、Dimension Zeroからおさらいしますと、IN FLAMESのメンバー、イェスパー・ストロムブラードとグレン・ユングストロム(3RDまで在籍)の二人のギタリストが1997年に立ち上げたサイドプロジェクトです。その他のメンバーもデスラッシュの方面では有名な方々ばかりのようです。こちらは2003年発表のフルレンスとしては2枚目のアルバムになります。

私はデビュー作のEP「Penetration From The Lost World」を最初に聴き、そのイメージで本作を聴き始めたのですが・・・ かなり変わっていました。

音の方は「暴風雪警報発令」てなもんで、邪悪で寒い雪嵐が地上にあるもの全てを凍らせ、破壊し尽くす、といった感です。

とにかく凶暴、蹂躙するが如く重くてしかも速いリフとビート、破壊力が迸っています。加えて、音が鋭いです。 脳みそがチリチリしてきます。

別の例えをするなら、日本刀の切れ味と戦斧の重さを兼ね備えたような・・・さしずめ青龍刀か薙刀をぶん回して近くにあるもの全てを手当たり次第ぶった切ってるような絵が浮かびます。(三国志系の格闘ゲームにそんなようなのありましたね。あんな絵面です)

イェスパー・グレン参加ということで、IN FLAMESっぽいリフも聴けるのですが、かなり印象は異なります。(実際作曲には1・2曲しか参加していない模様) メロディはギターリフがバッキングとして奏でるのみと言ってよく、聞き流すとメロディアスという印象は全く残らないかもしれません。 正直、私はこのアルバムを「メロデス」に括るのは抵抗ありますね。もろデスラッシュと言った方がいいでしょう。

とは言え、前述の激しさ・鋭さはそのギターリフが生み出しており、よく聴けばメロディアスでかつアグレッシブ・ブルータル、最高に格好いいです。 VOCALは典型的なスクリーム・デスボイス、歌い分けなどなく最初から最後まで叫び続けてますが、微妙に変化もあって、密かにかなり上手いのでは?と思いました。 そして、スピード感を生み出しているブラスト全開のドラム、この手の音では埋もれがちになるのに、本作では結構はっきりと重低音を支えているのがわかるベース(イェスパーが弾いてます)、みな格好いいです!

 曲の方ですが、どの曲も上の形容以外のことを書けるだけの文章力が無いのが辛いところです(泣) が、どの曲も一緒というわけではなく、どの曲も暴れまくっているのに曲ごとにちゃんと違いがあるので、全然飽きないです。アルバム1枚38分という短さも一気に聴けてしまう所以かも。

それでも簡単に曲紹介させていただきますと・・・

1曲目「Introduction to What This Is」は2曲目の長いイントロみたいなものです。ギターとSEと低い声での語りのみで静かな感じ・・・はしないですね、ギターが初っ端から邪悪です。この曲だけ聴くとブラックメタルのようです。

そして続く2曲目「Dimension Zero」、バンド名を冠したこの曲が代表曲となるのでしょうか。本作で一番凶悪蹂躙爆走メタルです。また一番メロディレスかな? 冒頭の「ディース・イーズ・ヘール!!!」という叫び声が耳から離れません(爆)

3曲目「Immaculate」と4曲目「Blood on the Streets」はリフがメロディアスになってくるので相変わらずの爆音ながら少しは聴き易いですか。この辺はかなりお気に入りです。

5曲目「Into and Out of Subsistence」はイェスパーの書いた曲と言うこともあって、本作では一番メロディアスで、サビ~中間のミドルテンポに落ち着くインストパートなどは初期IN FLAMESの香りが溢れています。彼らの1ST~3RDがお好きな方にはたまらない1曲。

6曲目「Final Destination」はイントロが強烈です。ザクザクした凶悪なギターリフがフェードインしてくる様は、鬼が金棒振り回して近づいてくる、早く逃げないと殺される!といった雰囲気の緊迫感があります。ここまでの緊張感を感じる曲は私はそうそう体験がありません。 曲に入っても全速力で逃げているようですし、またサビのリフはこれまた格好いいっす。

7曲目「Amygdala」はテクニカルな面も伺え、リズムチェンジやギターソロっぽいパートもあって、曲単体で一番バラエティに富んだ曲です。リフも相変わらず格好いい!

8曲目「Killing My Sleep」、9曲目「This Light」はリフのメロディだけ聴けばやはり初期IN FLAMESっぽさも感じますが、重さ・激しさは他の曲同様、×2以上ですね。9曲目の縦ノリ感はヘッドバンキングにもってこいです。 ・・・もっとも私はこの速さでヘドバンするには年を取りすぎましたかね・・・ 首筋ツリます。

ラスト10曲目「Di'i Minores」(読めない・・・)は2曲目に匹敵する激しさのAメロとミドルテンポに落としてダークさを強調したメロディアスなサビ、ある面2曲目以上にこのバンドを象徴する曲かと思いました。

ボーナスの11曲目「Helmet」は同様に激しく暴走している部分を主としながら、ロックのビートで疾走感が味わえる部分と本編ではほとんど聴けないギターソロが入っているなど、珍しくボーナスとして美味しい1曲でした。


曲目:

1.Introduction to What This Is
2.Dimension Zero
3.Immaculate
4.Blood on the Streets
5.Into and Out of Subsistence
6.Final Destination
7.Amygdala
8.Killing My Sleep
9.This Light
10.Di'i Minores

ディス・イズ・ヘル

ディス・イズ・ヘル

  • アーティスト: ディメンション・ゼロ
  • 出版社/メーカー: トイズファクトリー
  • 発売日: 2003/11/19
  • メディア: CD

オフィシャルが見つけられません・・・ 本作制作の後、主導権を持っていたと思われるグレン・ユングストロムが脱退してしまっています(イェスパーが追い出したという説もあるようで・・・)ので、事実上活動停止なのでしょうか。 もったいなさ過ぎです・・・ 

以下で短いながら全曲試聴できます。

http://www.amazon.com/gp/product/B0000DZTLZ/ref=cm_bg_d/102-0321059-3710574?v=glance&n=5174

↓では4曲目「Blood on the Streets」がフルで聴けます。

http://musica.mustdie.ru/en/band/dimension_zero/2773/

ストレスたまり気味のせいか、実は「Come Clarity」4に対しこの「This Is Hell」が5の割合でヘビーローテーションな今週でございました。かなり気に入ってます。(残りの1はAMORPHIS。) いやー、スカッとする1枚です。
 「Come Clarity」も良かったけどもっともっと激しい奴がいい!と言う方にはお薦めできる1枚。 デスボイスが駄目な方は手を出してはいけません(笑) 逆に言えばこれが聴ければこのBLOGで紹介しているデス系は全て問題なく聴けるでしょう

イェスパーを追っかけてくと、後はHAMMERFALLの1STだけだな、今年中には必ず聴きたい・・・ (SYNERGYの1stはもちろん聴きました。そういえばSYNERGYの新譜が今年の3月に出るって昨年アナウンスされてたけど、本当に出るんか?)

グローリー・トゥ・ザ・ブレイヴ

グローリー・トゥ・ザ・ブレイヴ

  • アーティスト: ハンマーフォール
  • 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
  • 発売日: 1997/09/22
  • メディア: CD

ビウェアー・ザ・ヘヴンズ

ビウェアー・ザ・ヘヴンズ

  • アーティスト: シナジー, キンバリー・ゴス
  • 出版社/メーカー: トイズファクトリー
  • 発売日: 1999/06/21
  • メディア: CD


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さすがイェスパー命のstrombladさん、彼の参加作品はバッチリ押さえてますね。
出張先のモバイル環境で見ていますので、試聴は出来ていないんですが、文面を拝見するとかなり私好みの音楽性っぽいです。帰宅したら早速聞いてみますね。楽しみだなぁ。
by (2006-02-11 18:51) 

stromblad

>ファランさん
 私はご存知の通りスラッシュや真性デスの方は弱いので、誤ったor過剰な表現があるかもしれませんがその時はお許しくださいませ(笑) 自信は無いですけど、それでも元々(今でも)スラッシャーなファランさんなら結構いける音のような気はします。 たまにはこういう滅茶苦茶暴れた音もいいもんですね。
 いつもnice&コメントありがとうございます。
by stromblad (2006-02-12 10:35) 

sopassion

夜分遅くにこんばんは。
この記事を読んで久々にラックからこのアルバムを取り出して聴きましたが、「あれ?こんないいあるばむだったっけ?」と思うくらい良いアルバムでした。
このアルバムを購入した時はHR/HMの触れてまだ半年も経たない時期だったので良さが解りませんでしたが、こうして今聴いてみると素晴らしいですね。
現在活動していないのが悔やまれるバンドです・・・
by sopassion (2006-02-27 02:46) 

stromblad

>kazuさん
こんにちは。私もDimension Zeroは1stEPを最初に聴いた時はあまりぴんと来なかったのですが、聴き直してみると「こりゃいい」という再発見アルバムでした。kazuさんには本作がそうだったんですね~ 聴き直すきっかけになれて幸いです。 本当また活動して欲しいバンドですよね。 3点セットありがとうございました。
by stromblad (2006-02-27 12:18) 

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